日本人の国際結婚

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また、2007年にフィリピン人と結婚した日本男性が12,150組に上り、中国人との結婚を追い越しました。日本の中国人観光客は年間100万人を超えたのに対して、フィリピンの観光客はその10分の一にもなりません。日本語の読み書きをマスターするのは当然、中国人の方がはるかに早く、また文法も正確です。一方フィリピン人の日本語の学習は漢字でつまづき、なかなかその先に進めず、話す言葉も文法的に首を傾げるような印象があります。では何故、そのフィリピン人が国際結婚の相手として、中国人と差異を生じないばかりか、ともすればその結果が勝っているのでしょう。
外形的なことを言えば、一般的なフィリピン人はマレー系の民族ですから日本の美人とは随分異なります。もちろんスペイン系のみならず中国系の混血も多いため個人差が大変に大きく様々な美男美女がおりますが、どちらかと言えばそういった美人はアジアと比べたら西欧的な顔立ちに近いでしょう。特に現在の日本人が西欧の人を好むということもありませんので、こうした国際結婚のデータを説明できるものではありません。また、日本の一般男性が英語が得意などということもありません。

そこで考えられるのは、少なくてもフィリピン人が、比較的日本語の読み書きができる中国人と同等かそれ以上のコミュニケーションの能力を持っているということです。彼らの能力は独特です。アジアの中で最も英語が話せる人口が多い国がフィリピンです。どのような田舎へ行っても英語が通じる国は他のアジアにはありません。しかし実際に英語の読み書きまでできる者は6割程度です。ところがそんな彼らのほとんどが英語のヒットソングを字幕に頼らずに歌えます。彼らのカラオケなどを聞いていても半分は英語の曲ですし、かと言って彼らが英語の歌詞を読んでいるのではありません。つまり私たち日本人とは根本的にその学習のやり方が異なっていて、彼らは言葉を聞いて覚えるのです。対照的なことは私たちは彼ら以上の年月をかけて英語を学習しながら英語で満足に会話できないのに対して、例え英語の読み書きができなくても、フィリピン人は私たちより会話の能力が優っているという現実です。つまり日本人の持っている教育に対する優越感は特に語学において根拠がないばかりか、むしろ英語の学習に関しては日本人が彼らから学ぶ立場にあるのです。

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